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  1. Xross

損益予算管理表を作成する


580-10 | 財務会計

完成イメージ

損益予算管理アプリ

  • 損益予算を管理するアプリ
  • 「売上総利益」のように集計を行った行を任意の位置に差し込んでいる
  • 集計元レコードを画面下部に表示している

アプリの構成

損益予算管理アプリ

  • 予算年月ごとに科目予算を管理するアプリ
  • 科目は科目マスタから参照している

勘定科目マスタアプリ

  • 勘定科目を管理するアプリ

1.krewSheetのモードを「Xrossモード」に切り替える

  1. 「Sheet」というロゴをクリックする
  2. 「Sheet/Xross」のロゴが表示されるので、Xrossを選択してXrossモードに切り替える

モードを切り替えると、画面が次のように変化します。

2.行にフィールドを配置する(オレンジのエリア)

  1. 行に次のフィールドを配置する
    ・中科目


  2. 行の配置した中科目のフィールド設定を開く


  3. カスタムラベルを「科目」に変更する

3.列にフィールドを配置する(黄色のエリア)

  1. 列に「年-月」で表示する形式の「予算年月」フィールドを配置する
    ※「年-月」などの形式は、予算年月横の▼をクリックすると表示されます


  2. 列フィールドの歯車マークをクリックして列設定を開く


  3. 「カスタムラベル」を「月度」に設定する


  4. 設定後はこのような画面になります

4.値にフィールドを配置する(青のエリア)

  1. 値項目に次のフィールドを設定する
    ・予算


  2. 値項目に設定したフィールドのカスタム列名を「予算」と設定する


  3. 設定後はこのようになります

ワンポイント

今回使用している損益予算管理アプリでは、予算フィールドに予め書式を設定しています。

上記のような設定をアプリ側にしているため、krewXrossで値項目に設定した場合にも桁区切りで「¥」が表示されます。もし、アプリ側で書式を設定していない場合には、Xrossモード独自で書式を設定することができます。

書式設定の方法

5.レコードを任意の順番で並べる

kintoneやkrewsheetでは、一覧に表示されるレコードの並び順は一覧設定で設定した順番になります。

今回のように損益予算管理表を作成したい場合、レコード番号などの並び順ではなく科目などを任意の順番で並べたいシーンが出てきます。そういった場合にXrossモードの「ユーザー設定リスト」機能を使うと任意の順で項目を表示することができます。

  1. リボンのメニュータブをデータタブに切り替える
  2. 「ユーザー設定リスト」をクリックする


  3. 設定画面で次のように設定する
    ・フィールド:中科目
    ・新しいリストの項目として次を文字列で入力 ※フィールド値などは使用できないため直接入力する
    売上高
    売上原価
    給料手当
    役員報酬
    地代家賃
    交際接待費
    旅費交通費
    通信費
    水道光熱費
    消耗品費
    会議費
    支払手数料
    広告宣伝費
    外注費
    新聞図書費
    事務用品費
    営業外収益
    営業外費用

科目フィールドの列設定の中にある「ソートタブ」を開くと、ユーザー設定リストで作成したソートリストが表示されます。ここで、並び替えを適用します。

6.売上総利益などを小計行として差し込む

「売上総利益」「販売管理費計」「営業利益」「経常利益」を計算して任意の位置に差し込みます

ここでは、科目の列に該当する小計行を作成したいので、行に追加した科目のフィールド設定から設定を開始します。

売上総利益:売上原価を引いた年間粗利

  1. タブをカスタム小計タブに切り替える
  2. 売上総利益の設定を次のように追加する
    ・カスタム小計名:売上総利益
    ・挿入位置:
    科目 = 売上原価 の後
    ・数式:※売上高 – 売上原価※

    SUMIF(中科目,”=売上高”,予算[Sum]) – SUMIF(中科目,”=売上原価”,予算[Sum])

ワンポイント

カスタム小計では、挿入位置を指定することで任意の位置に設定中の小計行を挟むことができます。
今回のビューでは、前のステップで「ユーザー設定リスト」機能を使ってレコードの並び順を設定しています。
ここで行う設定は、ユーザー設定リストで設定した順番に対して適用されます。

販売管理費計

  1. タブをカスタム小計タブに切り替える
  2. 売上総利益の設定を次のように追加する
    ・カスタム小計名:販売管理費
    ・挿入位置:
    科目 = 事務用品費 の後
    ・数式:※販売管理費に該当する項目をすべて足し算※

    SUMIF(中科目,”=給料手当”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=役員報酬”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=地代家賃”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=交際接待費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=旅費交通費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=通信費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=水道光熱費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=消耗品費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=会議費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=支払手数料”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=広告宣伝費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=外注費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=新聞図書費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=事務用品費”,予算[Sum])

営業利益:売上総利益から販売管理費を差し引いた額(稼いだ額)

  1. タブをカスタム小計タブに切り替える
  2. 売上総利益の設定を次のように追加する
    ・カスタム小計名:営業利益
    ・挿入位置:
    科目 = 事務用品費 の後
    ・数式:※売上高 から原価や給与分を差し引き、営業活動に必要な項目を加算※

    SUMIF(中科目,”=売上高”,予算[Sum]) – SUMIF(中科目,”=売上原価”,予算[Sum])
    – (SUMIF(中科目,”=給料手当”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=役員報酬”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=地代家賃”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=交際接待費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=旅費交通費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=通信費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=水道光熱費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=消耗品費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=会議費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=支払手数料”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=広告宣伝費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=外注費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=新聞図書費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=事務用品費”,予算[Sum]))

経常利益 :営業利益 +( 営業外利益 – 営業外費用)

  1. タブをカスタム小計タブに切り替える売上総利益の設定を次のように追加する
    ・カスタム小計名:経常利益
    ・挿入位置:
    科目 = 営業外費用 の後
    ・数式:※売上高 – 売上原価 – 営業外費用 + 営業活動費※

    SUMIF(中科目,”=売上高”,予算[Sum])
    – SUMIF(中科目,”=売上原価”,予算[Sum]) – (SUMIF(中科目,”=給料手当”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=役員報酬”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=地代家賃”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=交際接待費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=旅費交通費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=通信費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=水道光熱費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=消耗品費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=会議費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=支払手数料”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=広告宣伝費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=外注費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=新聞図書費”,予算[Sum])
    + SUMIF(中科目,”=事務用品費”,予算[Sum]))
    + SUMIF(中科目,”=営業外収益”,予算[Sum])
    – SUMIF(中科目,”=営業外費用”,予算[Sum])

7.特定の行の背景色を変更する

条件付き書式で特定の行の背景色を変更します。

条件付き書式の設定はリボンのメニュー「ホームタブ」内にある「条件付き書式」/「新規ルール」から開始します。

売上原価

  1. 次のように設定する
    ・書式の適用範囲:予算
    小計と総計を含める
    ・ルールの種類:数式を使用して、書式設定するセルを決定
    ・ルールの内容:
    中科目=”売上原価”
    ・背景色:赤

売上外収益

  1. 次のように設定する
    ・書式の適用範囲:予算
    小計と総計を含める
    ・ルールの種類:数式を使用して、書式設定するセルを決定
    ・ルールの内容:
    中科目=”営業外収益”
    ・背景色:緑

営業外費用

  1. 次のように設定する
    ・書式の適用範囲:予算
    小計と総計を含める
    ・ルールの種類:数式を使用して、書式設定するセルを決定
    ・ルールの内容:
    中科目=”営業外費用”
    ・背景色:赤

売上総利益・営業利益・経常利益

すべて文字列に「利益」が付くので、1つの設定で一括で書式を適用する

  1. 次のように設定する
    ・書式の適用範囲:予算
    小計と総計を含める
    ・ルールの種類:数式を使用して、書式設定するセルを決定
    ・ルールの内容:
    COUNTIF(中科目,”*利益”)
    ※ワイルドカードを使い、○○利益で終わる3つの行を設定している
    ・背景色:水色

販売管理費計

  1. 次のように設定する
    ・書式の適用範囲:予算
    小計と総計を含める
    ・ルールの種類:数式を使用して、書式設定するセルを決定
    ・ルールの内容:
    中科目=”販売管理費計”
    ※ワイルドカードを使い、○○利益で終わる3つの行を設定している
    ・背景色:赤

8.詳細を表示する

集計したビューの下に詳細(集計元となるレコードやテーブルを表示できる機能)を表示します。

  1. リボンのメニューをデザインタブに切り替える
  2. 「詳細の表示」をクリックする

【レコード】詳細に表示するフィールドの設定

  1. 「詳細」と記載されたエリアをクリックする


  2. 左側のエリアに表示されるフィールドを詳細エリアにドラッグ&ドロップで配置する

9.運用について

予算の入力

本シナリオで設定したビューでは、Xrossのビューですべてのセルが複数のレコードを集計して構成されているため、入力や編集が行えません。最後に設定した詳細シートで入力を行ってください。

来期の予算策定

来期の予算策定をする場合には、次のように来期も表示された状態で作成すると、今年度の状況を確認しながら予算を立てることができます。

  1. 今年度分とは別にカスタマイズ形式の一覧を作成する
  2. 新たに作成したビューに、最初い作成したビューの設定内容をコピーする


  3. 列に配置したフィールドの設定を開く
  4. 「データのないアイテムを表示する」にチェックして次のように設定する
    開始日:2023年4月 ⇐来年度の開始月
    終了日:2024年3月 ⇐来年度の終了月

上記の設定によって、2年分を1つのビューに表示することができるようになります。予算策定後は、必要に応じて、標示期間を今年度(来年度)に絞るなど調整してください。

サンプルファイルのダウンロードはこちら
https://download.krew.mescius.jp/study/krewsheet-drill/ks580-10profit-budget.zip